阿牧次郎のBlog

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新著「河内の国飯盛山追想記」発売決定

 新著「河内の国飯盛山追想記」の発売が決定しました。アメージング出版より、10月24日販売開始予定です。

表紙はこのような感じです。

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 以前紹介いたしました短編冊子の全面的な改稿になります。短編冊子についての記事はこちら。

「河内国飯盛古城追想記 : 電子書籍版」発売 - 阿牧次郎のBlog

 今回の作品では、三好氏の視点から見たものではありますが、戦国時代の入門書にもなり得るように、内容は、より一般的な政治史になるように描いてみました。

 表紙のデザインについて少し解説しておきますと、大阪府にある飯盛山の稜線を背景に、戦国大名三好家の家紋である、「三階菱に五つ釘抜」が描かれています。イメージの元になったのは、「学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館」が公開しているマイクロフィルム画像、文政九年刊行「繪本重編應仁記」の表紙です。国文学研究資料館の画像データ該当ページはこちら。

新日本古典籍総合データベース

 重編応仁記は江戸時代に編纂された、応仁の乱以来の事を記した軍記物を幾つか纏めた軍記物で、刊行されたものが何種類か残っているようです。そのうちの一つの表紙を見ると、菱の重なった模様が描かれています。重編応仁記の内容は、戦国時代の序盤を過ぎると、ずっと三好氏が出てきますので、三好氏を意識したデザインなのかもしれません。ということで、重編応仁記の装丁を、三好氏の拠点となった河内の飯盛山付近を舞台にした今回の作品の、表紙デザインに採り入れてみました。

 江戸時代に、重編応仁記は戦国時代の教科書や参考書のように読まれていたようですが、書物の最後「續應仁後記」は三好三人衆の本圀寺襲撃後に織田信長が二条城を築城するところで終わります。その後の事は別の本で、ということだったのでしょうか。

 戦国時代の始まり応仁の乱から、終わりの大坂夏の陣まで、戦国時代全体が一冊に纏まった「河内の国飯盛山追想記」、ぜひ一冊お手元にどうぞ。予約受付開始などの新情報が入りましたら、改めてお知らせしたいと思います。